Microsoft Office Excel の便利な機能の 1 つに、ブック内のセルにハイパーリンクを追加し、これらのハイパーリンクを使って情報を閲覧できることが挙げられます。ハイパーリンクは、クリックすることによってアクティブになる (つまり、リンク先に移動する)、しばしば下線付きで青く表示されるテキスト文字列です。Excel Web Access で Excel ブックを表示する場合、ハイパーリンクを使用すると、ドキュメント、ファイル、または Web ページを新しいウィンドウで開いたり、電子メール プログラムを起動してメッセージを作成したりできるほか、現在のブック内の別の場所に移動したり、別の Excel ブックを Web ブラウザ ビューで開き、特定の位置に表示させることもできます。また、Excel Web Access のカスタム プロパティを使って、ハイパーリンクの動作を制御することも可能です。
この記事の内容
URL の実際
Excel Services で使用するためのハイパーリンクを Office Excel で作成する
ハイパーリンクに影響する Excel Web Access のカスタム プロパティ設定
ハイパーリンクを使用して現在のブック以外の場所に移動する
ハイパーリンクを使用して現在のブック内の場所に移動する
別のブックの場所をハイパーリンクのクエリ文字列パラメータとして渡す
URL の実際
ハイパーリンクを作成するとき、そのリンク先は、対応する形式の Uniform Resource Locator (URL) (Uniform Resource Locator (URL) : プロトコル (HTTP や FTP など) を指定し、インターネットやイントラネット上のオブジェクト、ドキュメント、Web ページ、その他のリンク先の場所を指定するアドレス。たとえば、http://www.microsoft.com/ などです。) として記述します。
ページの先頭へExcel Services で使用するためのハイパーリンクを Office Excel で作成する
Excel では、次の方法で Excel ブックにハイパーリンクを作成できます。
詳細については、Microsoft Office Excel ヘルプを参照してください。
Excel Services では、ハイパーリンクにマウス ポインタを置くと、ポインタが (手の形のポインタ) に変化し、そのテキストをクリックすると、ハイパーリンクがアクティブになることがわかります。
ヒント ハイパーリンクをアクティブにすることなく、ハイパーリンクが含まれているセルを選択するには、ハイパーリンクから外に向いたセルの端にポインタを置き、セルをクリックします。
メモ
ページの先頭へハイパーリンクに影響する Excel Web Access のカスタム プロパティ設定
次の表に示したように、Excel Web Access には、ハイパーリンクの動作を制御するカスタム プロパティが 2 つあります。
プロパティのチェック ボックスの状態 | オン | オフ |
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ハイパーリンクを許可する | サポートされているハイパーリンクのうち、現在のブック以外のファイルやドキュメントに対するハイパーリンクがすべてアクティブになります。 | サポートされているハイパーリンクのうち、ブック外部の場所に対するハイパーリンクはすべて非アクティブなテキスト文字列に変換されます。 |
ナビゲーションを許可する | サポートされているハイパーリンクのうち、現在のブック内の場所に対するハイパーリンクがすべてアクティブになります。 | サポートされているハイパーリンクのうち、ブック内の場所に対するハイパーリンクはすべて非アクティブなテキスト文字列に変換されます。 |
ページの先頭へハイパーリンクを使用して現在のブック以外の場所に移動する
現在のブック以外のファイルやドキュメントを参照するハイパーリンクは、現在のブックの内容を補足するような関連情報や詳細情報を提供する場合によく使用します。たとえば、ブックに関する補足的なヘルプ情報、または、そのブックについての社内ポリシーや社内規定を Web ページとして用意することが考えられます。また、Excel の特定の列に、データや数値を体系的にまとめ、その各行を Microsoft Office Word 文書の対応するセクションにリンクさせることにより、リッチ テキストや図を参照できるように配慮することもできます。
ハイパーリンクが、現在のブック以外の場所を参照している場合、Excel Services では、新しいウィンドウが起動されます。
ページの先頭へハイパーリンクを使用して現在のブック内の場所に移動する
同じブック内を対象としたハイパーリンクは、同一ブックのさまざまな場所に移動できるようにしたい場合によく使用します。たとえば、1 つのブックに多数のワークシートが存在する場合、メイン メニューとして機能する専用のワークシートを作成して、そこに各ワークシートへのリンクをまとめたり、場合によっては、各ハイパーリンクの横に説明文などを追加することが考えられます。また、会社が製造している特定の製品について、さまざまなパーツの設計が記録された膨大な情報量のブックがあるとします。このとき、個々のワークシートには、各パーツの詳細や、パーツ間の相互依存性などを記載しておき、特定のセルをクリックすると、適切なワークシートに移動するようなハイパーリンクを作成することもできます。
ハイパーリンクが、現在のブックの別の場所を参照していた場合、その移動先が直接 Excel Web Access Web パーツに表示され、新しいウィンドウが開くことはありません。このハイパーリンクは、次のようにして作成します。
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一般的な構文 | [#[<ブック>]<シート名>!<範囲> |
| |
例 | #[Parts.xlsx]Widgets!A1 |
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# (シャープ記号) は必須であり、場所が別のブックである場合は [<ブック>] も必須です。場所が別のワークシートである場合は、<シート名> も必須であり、後に ! (感嘆符) が続きます。<範囲> には、次のいずれかを指定できます。
- セルの位置 (Sheet1!A1 など)。
- ローカルの名前付き範囲 (Sheet1!Q2Summary など)。
- グローバルな名前付き範囲 (FY04BalanceSheet など)。
ワークシート ビューでハイパーリンクをクリックすると、そのブックの指定された場所に移動します。移動先がセル位置であった場合、対象のセルが選択状態になり、Excel Web Access Web パーツの中央に表示されます。移動先がローカルまたはグローバルの名前付き範囲であった場合、その範囲の左上のセルが選択状態になり、Excel Web Access Web パーツの中央に表示されます。
名前付きアイテム ビューでハイパーリンクをクリックすると、対象のアイテムに移動し、セルが選択されます。移動先がセル位置であった場合、対象のセルが Excel Web Access Web パーツの中央に表示されます。移動先がローカルまたはグローバルの名前付き範囲であった場合、その範囲の左上のセルが Excel Web Access Web パーツの中央に表示されます。同じセル参照またはセル範囲を含む名前付きアイテムが複数存在した場合、([Show view] ボックスにおける) アルファベットの昇順で最初のアイテムが使用されます。
ページの先頭へ別のブックの場所をハイパーリンクのクエリ文字列パラメータとして渡す
Excel では、「#<ブック>]<シート名>!<範囲>」という構文を使用することにより、ハイパーリンクの参照先に別のブックのセルまたは範囲を指定できます。Excel Services で別のブックにリンクするには、Web ブラウザ ビュー ページ (xlviewer.aspx) で別のブックを開き、特定の位置に移動するハイパーリンクを作成し、そのクエリ文字列パラメータとして、そのブックの場所を渡す方法を使用します。
たとえば、主要業績評価指標 (KPI) リストを作成し、各アイテムの値を別のブックから取得することが考えられます。この場合、各 KPI と、実際の値が格納されているブックとを関連付けるハイパーリンクを、それぞれのアイテムについて作成します。アイテムの詳細な情報を閲覧したい場合は、目的のアイテムをクリックすると、実際の値が格納されているブックへと自動的に移動します。該当するセルにすぐにフォーカスが移動するため、単に既定の位置でブックを開くよりも利便性は高くなります。
このハイパーリンクは、次のようにして作成します。
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一般的な構文 | http://<server_name>/<site_name>/_layouts/ xlviewer.aspx?id=<ブックのパス>&range=#<場所> |
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例 | http://CorpServer/DeptA89/_layouts/ xlviewer.aspx?id=http://Mfct/Stats/Shared%20Documents/Parts.xlsx&range=#Widgets!A1:F25 |
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<server_name> は SharePoint サーバーの場所、<site_name> はブックがある 1 つ以上のサイトおよびサブサイト、<ブックのパス> はパスおよびファイル名です。#<場所> には、次のいずれかを指定できます。
- セルの位置 (Sheet1!A1 など)。
- ローカルの名前付き範囲 (Sheet1!Q2Summary など)。
- グローバルな名前付き範囲 (FY04BalanceSheet など)。
重要 Excel ブックを Excel Services に発行する前に、次の操作を行って URL の絶対アドレスが作成されるようにします。
- (Microsoft Office ボタン) をクリックし、[Excel のオプション] をクリックします。次に、[詳細設定] をクリックします。
- [標準] の [Web オプション] をクリックします。
- [Web オプション] ダイアログ ボックスの [ファイル] タブをクリックし、[保存する時にリンクを更新する] をオフにします。
別のブックの場所をハイパーリンクのクエリ文字列パラメータとして渡した場合、新しいウィンドウがブラウザ ビューで開き、該当するブック位置に自動的に移動します。移動先がセル位置であった場合、対象のセルが Web ページの中央に表示されます。移動先がローカルまたはグローバルの名前付き範囲であった場合、その範囲の左上のセルが Web ページの中央に表示されます。いずれの場合も、セルは選択されません。
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