フィルタ Web パーツは、1 つ以上の一連のデータを含んだ Web パーツに接続して、データのビューを変更します。ページ上のフィルタ Web パーツを表示させると、日付やテキストなどの入力を要求することができます。また、フィルタ Web パーツを非表示に設定すると、現行のユーザーによるフィルタの場合のように、コンピュータにログオンしているユーザーに基づいてデータをフィルタすることができます。
このトピックの内容
概要
フィルタの種類
フィルタを使用する
概要
フィルタ Web パーツには、データを自動的にフィルタ処理するものと、ユーザーがページを表示して値を入力したり、リストから値を選択したりできるものがあります。フィルタ Web パーツは、Microsoft SQL Server 2005 Analysis Services のデータと連携動作するように設計されているため、Microsoft Office SharePoint Server 2007 SharePoint には、Business Data Catalog 内にあるデータ、または Microsoft Office Excel Web Access Web パーツに読み込まれたワークブック内のデータが一覧で表示されます。
フィルタの使い方
次に 2 つのシナリオを挙げて、Office SharePoint Server 2007 フィルタを活用する例を示します。
小田さんは、月別の製品売り上げ収益データを通信したいと考えています。これまでは、小田さんが Contoso セールス アプリケーションで生成された SQL Server 2005 Analysis Services レポートを表示し、情報をコピーして電子メール メッセージに貼り付けて、チームに配布していました。小田さんは、以前と同じ SQL Server 2005 Analysis Services レポートを、製品別の顧客の苦情を月別に挙げたレポートと一緒にダッシュボードに追加することにしました。
小田さんは、フィルタ Web パーツを追加して、ダッシュボード ユーザーが関心のある製品を選択できるようにします。小田さんは、製品の一覧が表示されるようにフィルタを設定し、そのフィルタを新規顧客の苦情 (製品の月次レポート、および既存製品の収益に関する月次レポート) に接続します。チーム メンバがページを表示すると、小田さんがレポート用に設定した既定の製品に関するデータを参照できるだけでなく、製品を一覧から選択することもできます。別の製品を選択すると、接続された各 Web パーツ内のデータがすべて変更されます。
地域セールス マネージャである林さんは自分の部署のダッシュボードを使って月次データをレビューします。林さんは、顧客満足度に関する主要業績評価指標 (KPI) が、黄色になっていることに気付きました。黄色は警告モードを意味します。林さんは指標をクリックして、Web ページに移動します。この Web ページには、その指標の他、指標が黄色に変わった原因の説明、およびその他の洞察を示した 3 つのレポートが表示されています。
ページ上の要素はすべて、林さんの部署用にフィルタ処理されます。林さんの会社の他のセールス マネージャも同じダッシュボードを表示できますが、各セールス マネージャのビューはフィルタ処理され、各セールス マネージャ自身の部署向けにカスタマイズされます。
ページの先頭へフィルタの種類
どんな種類のフィルタ Web パーツをどう使うかは、データの取得元、ユーザーに要求する操作の種類、予期する結果などによって決定されます。Office SharePoint Server 2007 では 9 つのフィルタの他に、[フィルタ操作 Web パーツ] というフィルタ ボタンが提供されています。これをページに追加しておけば、ユーザーがページ上のデータをリフレッシュするときに選択できます。
次のフィルタ Web パーツでは、Web パーツ ページのユーザーが手動で値を指定できます。
Web パーツ | 説明 |
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[日付フィルタ] | 既定値を設定することも、値の空のままにしておくこともできます。ユーザーはドロップダウン型のカレンダから日付を選択することも、または Web パーツ ページに表示されたボックスに m/d/yyyy 形式で値を入力することもできます。 |
[クエリ文字列 (URL) フィルタ] | ダッシュボードに別のページ上のリンクを追加するときに、URL にフィルタを追加できるようにするフィルタです。 |
[テキスト フィルタ] | ユーザーにテキストの入力や既定値の設定を要求することができます。 |
次のフィルタ Web パーツでは、Web パーツ ページのユーザーが値を一覧から選択できます。
Web パーツ | 説明 |
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[フィルタの選択] | [フィルタの選択] を使用すると、Web パーツのツール ウィンドウで値を指定することができます。Web パーツ ページ上に表示されるドロップダウン メニューから、いずれかの値を選択します。 |
[ビジネス データ カタログ フィルタ] | この Web パーツでは、ビジネス データ カタログからエンティティを 1 つ選択し、[値列] を指定できます。また、[説明列] を追加することもできます。 たとえば、[製品] というエンティティの場合、[AdventureWorks アプリケーション] および [値列] は [名前] になります。[説明列] を追加した場合、最終的に Web パーツ ページは、ユーザーがドロップダウン メニューを使って [説明]、[キー]、または [名前] で製品を検索できるピッカーになります。 |
[SharePoint リスト フィルタ] | このフィルタを構成するときは、SharePoint リストをポイントし、列の値 (たとえば、タイトル、説明、日付、ドキュメントの種類) を指定します。リストを参照し、指定されたアイテムの種類から選択することができます。 |
[SQL Server 2005 Analysis Services フィルタ] | このフィルタを使用する際には、現在の Web パーツ ページ上の Web パーツ、SharePoint データ接続ライブラリまたは Office データ接続ライブラリのいずれかからのデータ接続を選択することができます。次に、ディメンションおよび階層構造を指定します (すると、そのユーザーの Web パーツ ページに何かが表示されます)。 |
これらのフィルタ Web パーツによって、Web パーツ ページが自動的にフィルタされます。
Web パーツ | 説明 |
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[現在のユーザーによるフィルタ] | 現在のユーザーのログイン名、または選択した SharePoint プロファイル プロパティのどちらかを提供します。選択したクエリ文字列パラメータを提供します。 |
[クエリ文字列 (URL) フィルタ] | このフィルタによって、ツール ウィンドウで設定される固定値 (1 つまたは複数) が渡されます。 |
[ページ フィールド フィルタ] | 現在のページが関連付けられているリスト行の列の値を提供します。 |
ページの先頭へフィルタを使用する
フィルタの使用手順は、次の 3 段階から成ります。
- Web パーツ ページにフィルタを追加する
- フィルタ設定を構成する
- (任意) ページ上の他の Web パーツにフィルタを接続する
Web パーツ ページにフィルタを追加する
フィルタ Web パーツを Web パーツ ページに追加する方法は、他の Web パーツをページに追加する方法と同様です。ユーザー入力を要求するフィルタを使用するときは、ページ上に Web パーツを配置することを検討してください。また、ツール ウィンドウでフィルタに指定した名前は、ページ上でテキスト ボックスまたはメニューの説明として使用されます。
Web パーツの追加方法および Web パーツ ページの作成方法の詳細については、[参照] セクションのリンクを参照してください。
フィルタ設定を構成する
フィルタをセットアップするには、Web パーツ ツール ウィンドウを使用します。各ツール ウィンドウには、設定するフィルタの種類に応じた各種のオプションが用意されています。一般的な Web パーツの設定の詳細については、[参照] セクションのリンクを参照してください。
ページ上の他の Web パーツにフィルタを接続する
使用するフィルタ Web パーツは、ページ上の別の Web パーツに接続する必要がある場合があります。Excel Web Access Web パーツでフィルタを使う場合などが、これに該当します。フィルタ Web パーツは、ユーザーに表示するものも非表示にするものも接続できます。表示フィルタ Web パーツの場合、ページ ビューアからの入力要求 (製品リストから選択するなど) が可能です。非表示フィルタ Web パーツ (たとえば、"現在のユーザーによるフィルタ") の場合、コンピュータにログオンしているユーザーに基づいて、接続先のデータが自動的にフィルタされます。
ページ上の別の Web パーツにフィルタを接続することが可能な場合は、 メニューに [接続] メニューが表示されます。ページ上のフィルタ Web パーツと別の Web パーツ間の接続は、どちらの方向からも開始することができます。
Web パーツの接続方法と Microsoft Office Excel Web Access の使い方の詳細については、[参照] セクションのリンクを参照してください。