ファイルまたはリスト アイテムのバージョンを管理する場合、各バージョンには番号が付けられ、バージョン履歴の一部として保存されます。組織内のユーザーはバージョン履歴を表示し、必要に応じて以前のバージョンを復元できます。保持するバージョンの種類やバージョン数など、バージョン管理に影響を与えるいくつかの設定を構成できます。また、コンテンツの承認を必須にする、ファイルをチェックアウトするなど、バージョン管理に関係する設定を構成することもできます。
この記事の内容
概要
保存するバージョン数を制御する
バージョン管理を有効にする
リストまたはライブラリのコンテンツの承認を必須にする
ライブラリでファイルのチェックアウトを必須にする
概要
リストとライブラリのバージョン管理を使用すると、進行するバージョンの情報を追跡および管理し、必要に応じて以前のバージョンを表示したり、復元したりできます。リストでは、すべてのバージョンが同じように管理されます。ライブラリでは、すべてのバージョンを同じように管理するか、バージョンによってメジャー (メジャー バージョン : 以前のメジャー バージョンから大きく変更されたファイルのコピーに番号を付けたもの。各メジャー バージョンは整数 (1、2、3 など) によって識別され、組織内で広く閲覧できるように発行されたことを示します。) (マニュアルに新しい章が追加されたバージョンなど) とマイナー (マイナー バージョン : リビジョンの段階にあるファイル、または以前のバージョンから少ししか変更されていないファイルのコピーに、少数の番号 (0.1、0.2、1.1 など) を付けたもの。通常、マイナー バージョンが組織内で広く閲覧できるように発行されることはありません。) (スペル エラーが訂正されたバージョンなど) とに指定することができます。
記憶域の管理のため、保存するバージョン数を指定できます。バージョン数を制限すると、サーバーの容量管理に役立ち、バージョン履歴が複雑で使いにくくなるのを防ぐことができます。ユーザーは、ファイルの履歴で小さな変更を増やさないようにするため、以前のマイナー バージョンを既存のバージョンで上書きできます。
メジャー バージョンとマイナー バージョンを管理する
通常、組織で多数のファイルの下書きを作成する場合、メジャー バージョンとマイナー バージョンの両方を管理すると役立つことがあります。ユーザーは行った変更のレベルを区別し、ファイルが他のユーザーに見せる段階に達した時点で通知できます。たとえば、ユーザーの部署でマニュアルを作成している場合、新しいセクションを追加した場合のバージョンをメジャー バージョンとし、コンテンツが下書きの間はマイナー バージョンと指定することができます。
また、両方の種類のバージョンを管理すると、バージョン履歴はわかりやすくなります。たとえば、多くの場合、メジャー バージョンは、レビュー用に提出されたファイル、他のユーザーに配布されたファイルなど、ファイルの開発上重要なバージョンを表します。通常、マイナー バージョンは、コンテンツの作成途中で保存またはチェックインしたバージョン、小さなエラーを訂正したバージョンなど、日常的な小さな変更を表します。
メジャー バージョンとマイナー バージョンを管理している場合、既定では、バージョンをメジャーと指定しない場合、バージョンはマイナー バージョンとして保存されます。ユーザーがファイルを保存し、閉じたとき、バージョンはマイナー バージョンとして管理されます。メジャー バージョンとするには、ファイルを発行する必要があります。作成者がファイルをチェックアウトした後、チェックインし直した場合、チェックインするのはメジャー バージョンかマイナー バージョンかを選択するように要求されます。
リストまたはライブラリの作成時にバージョン管理を構成する場合、簡単なバージョン管理が既定で有効になり、メジャー バージョンとマイナー バージョンの管理を有効にするオプションはありません。ただし、このトピックの手順を使用して、後で設定を追加できます。
バージョン管理に影響を与える他の設定
バージョン管理に影響を与える他の設定を構成できます。リストまたはライブラリで、コンテンツの承認を必須にできます。この設定はコンテンツ モデレートと呼ばれることがあります。ライブラリでは、ファイルのチェックアウトを必須にすることができます。これは、変更の競合を防ぐのに役立ち、ファイルのチェックイン時にはファイルに関するコメントの入力が要求されます。
コンテンツの承認
コンテンツの承認が必要な場合、リスト アイテムまたはファイルは、承認の権限を持つユーザーによって承認または却下されるまで、下書きまたは承認待ちの状態になります。アイテムまたはファイルは承認されると、リストまたはライブラリで [承認済み] 状態が割り当てられ、リストまたはライブラリを表示する権限があるユーザーに表示されます。アイテムまたはファイルが却下されると、承認待ちの状態になり、下書きを表示する権限を持つユーザーにのみ表示されます。
コンテンツの承認が必要なライブラリでメジャー バージョンとマイナー バージョンの管理を有効にする場合、組織内でワークフローが作成されていれば、ワークフローを追加することもできます。ワークフローでは、レビュー、承認など、ファイルがビジネス プロセスの中をどのように進むのかを制御できます。ワークフローを使用して、メジャー バージョンがチェックインされるときの承認プロセスを管理できます。
既定では、承認待ちのアイテムまたはファイルは作成者とリストを管理する権限を持つユーザーにしか表示されませんが、他のユーザー グループにもアイテムまたはファイルを表示するかどうかを指定できます。
メジャー バージョンとマイナー バージョンの両方を管理するようにライブラリがセットアップされている場合、ファイルを編集するユーザーは、最初にそのファイルのメジャー バージョンを発行する必要があります。
チェックアウトを必須にする
チェックアウトを必須にすると、ユーザーはバージョンの作成時期を明確に指定するため、チームでバージョン管理を最大限に活用できます。バージョンは、ユーザーがファイルをチェックアウトし、変更し、チェックインし直したときにのみ作成されます。チェックアウトが必須ではない場合、ユーザーが最初にファイルを保存した時点でバージョンが作成され、ファイルが閉じられるとこのバージョンは更新されます。そのユーザーまたは他のユーザーが再度ファイルを開き、保存した場合、別のバージョンが作成されます。状況によっては、会議に出席するため、ファイルの変更が終わる前にファイルを閉じる必要がある場合など、複数のバージョンを作成するつもりがなくても作成されることがあります。
チェックアウトが必須な場合、最初にファイルをチェックアウトしないと、ファイルの追加、ファイルの変更、またはファイル プロパティの変更はできません。ユーザーがファイルをチェックインすると、変更に関するコメントの入力が要求されます。そのため、バージョン履歴はわかりやすくなります。
下書きアイテムを表示できるユーザーを指定する
リスト アイテムとファイルの下書きを表示できるユーザーを構成できます。下書きは次の 2 つの状況で作成されます。
- メジャー バージョンとマイナー バージョンを管理しているライブラリでファイルのマイナー バージョンが作成されるか更新された場合
- コンテンツの承認が必要なリストまたはライブラリでリスト アイテムまたはファイルが作成されるか更新されたがまだ承認されていない場合
メジャー バージョンおよびマイナー バージョンを管理する場合は、ユーザーがファイルを編集する権限を持たないと、マイナー バージョンの表示および読み取りができないようにするかどうかを指定できます。この設定を適用した場合、ファイルを編集する権限を持つユーザーはファイルを使用できますが、ファイルを読み取る権限しかないユーザーはマイナー バージョンを表示することができません。たとえば、ライブラリへのアクセス権を持つすべてのユーザーに対して、ファイルの編集中にコメントや改訂を表示しないようにできます。メジャー バージョンおよびマイナー バージョンが管理され、どのユーザーもメジャー バージョンをまだ発行していない場合、下書き項目を表示する権限のないユーザーにファイルは表示されません。
コンテンツの承認が必要な場合、承認待ちのファイルを表示できるユーザーとして、読み取り権限を持つユーザー、編集権限を持つユーザー、または作成者とアイテムを承認する権限を持つユーザーのみのいずれかを指定できます。メジャー バージョンおよびマイナー バージョンの両方が管理されている場合、ファイルを承認用に送信するには、その前に作成者がメジャー バージョンを発行する必要があります。コンテンツの承認が必要な場合、コンテンツを読み取る権限はあるが、下書きアイテムを表示する権限がないユーザーには、最後に承認されたファイルまたはファイルのメジャー バージョンが表示されます。
リストまたはライブラリの権限
リストおよびライブラリにはバージョン管理とチェックアウトに関連する権限があります。この権限は、ユーザーまたは特定のグループに適用される権限レベルによって変化します。権限レベルを編集できるユーザーはこれらの権限を異なる形に構成できます。または、カスタマイズされた権限レベルを持つ新しいグループを作成できます。
これらの権限を使用すると、ライブラリを柔軟に管理できます。たとえば、ファイル自体を削除する権限がないユーザーがファイルのバージョンを削除できるようにするとします。[バージョンの削除] の権限は、[アイテムの削除] の権限と同じではないため、制御レベルをカスタマイズできます。権限および権限レベルの構成の詳細については、[参照] セクションのリンクを参照してください。
次の表に、バージョン管理とチェックアウトに関連する権限、および適用先の既定の権限レベルを示します。
権限 | 既定の権限レベル |
---|
バージョンの表示 | フル コントロール、デザイン、投稿、および読み取り |
バージョンの削除 | フル コントロール、デザイン、および投稿 |
チェックアウトの無視 | フル コントロールおよびデザイン |
アイテムの承認 | フル コントロールおよびデザイン |
ページの先頭へ保存するバージョン数を制御する
リストまたはライブラリに保存するリスト アイテムまたはファイルのバージョン数は制限できます。これはサーバーの空き容量の保持に役立ちます。チームで多数のバージョンを作成する場合、バージョン数を制限すると、以前のバージョンの管理と検索に役立つことがあります。たとえば、数か月または数年にわたって、チームで多数のバージョンを保持してきた場合、メンバはバージョン履歴を参照して必要なバージョンを見つけるのが難しいことがあります。チームでは以前のすべてのバージョンを表示するか保持する必要がある場合、保持するバージョン数を制限しないか、保持するバージョン数を大きな値にします。
ライブラリでメジャー バージョンとマイナー バージョンを管理している場合、保持するファイルのメジャー バージョンの数、およびマイナー バージョンを保持するメジャー バージョンの数を選択できます。既定では、各メジャー バージョンでは最大 511 個の下書き (マイナー バージョン) を保持できます。
チームの作業方法によっては、最近編集されたバージョンなど、最新のマイナー バージョンが必要になることが多い場合があります。その場合、チームでは、古いマイナー バージョンの必要性が少なくなることがあります。通常、メジャー バージョンはレビューまたは発行用に提出されたファイルなど、重要なバージョンを表し、マイナー バージョンはサイトの全参加者で読み取る準備がまだできていない作業中のバージョンです。
リストまたはライブラリでメジャー バージョンの数を制限した場合、制限に達したとき、最も古いバージョンが削除されます。たとえば、20 個のバージョンしか保持しない場合、チームで 25 個のバージョンを作成すると、バージョン 6 ~ 25 のみが保持されます。別のバージョンを作成すると、バージョン 7 ~ 26 が保持されます。リストまたはライブラリでバージョンを制限する場合、バージョンの制限数に達したときに古いバージョンが削除されることを投稿者にあらかじめ知らせておく必要があります。
重要 保存するバージョンの数が組織によって制限されている場合、制限値に達すると、最も古いバージョンが完全に削除されます。これらのバージョンはごみ箱には送られません。
マイナー バージョンが保持されるメジャー バージョンの数が制限されているライブラリでは、バージョンの制限数に達した場合、古いメジャー バージョンに対するマイナー バージョンは削除されます。たとえば、10 個のメジャー バージョンの下書きしか保持しない場合、チームで 15 個のメジャー バージョンが作成されると、初期のバージョンについてはメジャー バージョンしか保持されません。5 個の初期メジャー バージョンに関連付けられたマイナー バージョン (1.2、2.3 など) は削除されますが、メジャー バージョンにも制限がある場合を除き、メジャー バージョン自体 (1、2 など) は保持されます。
ページの先頭へバージョン管理を有効にする
- リストまたはライブラリが開かれていない場合は、サイドリンク バーでそのリストまたはライブラリの名前をクリックします。
リストまたはライブラリの名前が表示されない場合は、[すべてのサイト コンテンツの表示] をクリックして、目的のリストまたはライブラリの名前をクリックします。
- ([設定] メニュー) で、[リストの設定] をクリックするか、これから開くライブラリの種類に対する設定オプションをクリックします。
たとえば、ドキュメント ライブラリを開く場合は、[ドキュメント ライブラリの設定] をクリックします。
- [全般設定] の [バージョン設定] をクリックします。
- 次のいずれかの操作を行います。
- リスト アイテムの場合、バージョンの管理を指定するには、[アイテムの改訂履歴] セクションの [リストのアイテムを編集するごとにバージョンを作成する] をクリックします。
- ファイルの 1 種類のバージョンしか管理しない場合は、[ドキュメントの改版履歴] セクションの [メジャー バージョンの作成] をクリックします。
- ファイルのメジャー バージョンとマイナー バージョンの両方を管理する場合は、[ドキュメントの改版履歴] セクションの [メジャーとマイナー (下書き) バージョンの作成] をクリックします。
- 保持するアイテムまたはファイルのバージョン数を指定できます。[アイテムの改訂履歴] セクションまたは [ドキュメントの改訂履歴] セクションで次のいずれかの操作を行います。
- 保存するリスト アイテムのバージョン数を指定するには、[次の数のバージョン数を保持する] チェック ボックスをオンにし、保持するバージョン数を入力します。
- 保存するファイルのメジャー バージョン数を指定するには、[次の数のメジャー バージョン数を保持する] チェック ボックスをオンにし、保持するメジャー バージョン数を入力します。
- 下書きを保持するメジャー バージョン数を指定するには、[次の数のメジャー バージョン数の下書きを保持する] チェック ボックスをオンにし、下書き (マイナー バージョン) を保持するメジャー バージョン数を入力します。
- [OK] をクリックします。
ページの先頭へリストまたはライブラリのコンテンツの承認を必須にする
リスト (リスト : ブラウザを使用してユーザーが情報を追加、保存および表示することができる Web サイトのコンポーネント。これを使用するには、Web サーバー上で Windows SharePoint Services が稼動している必要があります。)またはライブラリ (ライブラリ: ファイルの集まりが管理されている、SharePoint サイト上の場所。ライブラリでは、ユーザー定義プロパティを含め、各ファイルについての情報を表示することができます。)を設定するとき、リストかライブラリに送信されるアイテムかファイル (またはアイテムかファイルの変更) の承認を必須にすることができます。
このコンテンツの承認設定を適用すると、変更されたアイテムやファイルは、承認権限を持つユーザーによって承認または却下されるまで承認待ち状態になります。承認されたアイテムやファイルは、リストまたはライブラリ内で "承認済み" という状態を割り当てられ、そのリストまたはライブラリの表示権限を持つユーザー全員に対して表示されます。却下されたアイテムやファイルは、承認待ち状態のまま残り、下書きの表示権限を持つユーザーにしか表示されません。
既定の設定では、承認待ちのアイテムやフォルダを表示できるのは、その作成者とリストの管理者権限を持つユーザーだけですが、他のユーザー グループがそれらのアイテムやファイルを表示できるかどうかは任意に指定できます。
- リストまたはライブラリが開かれていない場合は、サイドリンク バーでそのリストまたはライブラリの名前をクリックします。
リストまたはライブラリの名前が表示されない場合は、[すべてのサイト コンテンツの表示] をクリックして、目的のリストまたはライブラリの名前をクリックします。
- ([設定] メニュー) で、[リストの設定] をクリックするか、これから開くライブラリの種類に対する設定オプションをクリックします。
たとえば、ドキュメント ライブラリを開く場合は、[ドキュメント ライブラリの設定] をクリックします。
- [全般設定] の [バージョン設定] をクリックします。
- [コンテンツの承認] セクションの [送信されたアイテムに対してコンテンツの承認を必須にする] で [はい] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
ページの先頭へライブラリでファイルのチェックアウトを必須にする
Windows SharePoint Services 3.0 と互換性のあるプログラムからファイルをチェックアウトすると、サーバーに接続していなくても、ハード ディスク上のファイルで作業を行うことができます。ファイルのコピーは、サーバーのファイルの下書きのフォルダに保存されます。この場所は、既定ではマイ ドキュメント フォルダ内の SharePoint Drafts フォルダになりますが、クライアント プログラムによっては変更できる場合があります。ハード ディスク上のファイルでの作業は、サーバー上のファイルで作業するよりも高速な場合が多く、オフィスから離れた場所でも簡単に作業を続行できます。
チェックアウトされたファイルは、チェックアウトした本人以外のユーザーが編集することはできません。ライブラリ内のアイコンは、ファイルがチェックアウトされていることを示すもの に変わります。チェックアウト アイコンの上にマウス ポインタを置くと、ファイルをチェックアウトしているユーザーの名前がポップ ヒントに表示されます。チェックアウト中にファイルに加えた変更は、そのファイルを再びチェックインするまで他のユーザーには表示されません。これは、ハード ディスク上のファイルで作業している場合でも、サーバー上のファイルで作業している場合でも同様です。
ユーザーはファイルをチェックインするとき、ファイルに行った変更に関するコメントを入力するように要求されます。ライブラリでバージョンを管理する場合、そのコメントはバージョン履歴の一部となります。メジャー バージョンとマイナー バージョンの両方が管理されている場合、どちらのバージョンをチェックインするかを選択するように要求されます。バージョン管理の詳細については、[参照] セクションのリンクを参照してください。
- ライブラリが開かれていない場合は、サイド リンク バーでそのライブラリの名前をクリックします。
ライブラリの名前が表示されない場合は、[すべてのサイト コンテンツの表示] をクリックして、目的のライブラリの名前をクリックします。
- ([設定] メニュー) で、これから開くライブラリの種類に対する設定オプションをクリックします。
たとえば、ドキュメント ライブラリを開く場合は、[ドキュメント ライブラリの設定] をクリックします。
- [全般設定] の [バージョン設定] をクリックします。
- [チェックアウトを必須にする] で、[ドキュメントを編集する前に必ずチェックアウトする] の [はい] をクリックします。
- [OK] をクリックします。
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